僕らは人工知能で暗号を解くスピードを早めようとしている…だけ?

投稿者: | 2016年4月26日

 Chainerを勉強するまとまった時間がないので、人工知能の「利用」について文系脳でグダグダと考え続ける。

 「人類はとっくにシンギュラリティーに入っている」「CPUやGPUを使う人工知能は人間が利用している人工知能のごく一部」という個人的見解だけでは、納得できないところがあるからだ。(そのひとつは前々回書いた「酒飲みの人工知能」のことだ)

 話は飛ぶ。世の中はとんでもない事や、信じられない事がたくさん起こっている。にもかかわらず、私達はごくフツーに暮らし続けている。どうしてまだ世界はまだ崩壊しないで均衡を保っているのだろうか。

 なぜ食中毒が起きても料理店は閉鎖しないのか、なぜ社員は会社の上司の言うことに従うのか、なぜ人身事故が起きても電車は走り続けるのか、人はなぜ税金を払い続けるのか、ネズミはなぜネコに追われても絶滅しないのか。なぜ犯罪者はいなくならないのか。どうして革命は起きないのか。

 なぜ均衡が保たれているのかを考えると、話は単純ではない。そこには、暗号でいう “計算量的安全性” に似たものがそこにはあると思う。(正しい答えを得ることが不可能なのではなくて、計算量が時間内に終わらないことを利用して安全性を保つという考え方だ。なお暗号も数学もわからないので、この用語の使い方は、は完全に感覚的であることを明言。)崩壊させることは可能だが、その工数が多すぎて、有限時間内に終わらない or 追いつけないことが、世界を保つ強力な抑止力になっている。

 人工知能を使うということは、こういった暗号の計算量を飛躍的に短くする可能性を意味している。人工知能を使ったシステムを開発するということは、社会と自然の随所に張り巡らされた計算量的安全性を壊すということだ。その中には、意図的に誰かが自身や組織の安全性を保つために組み込まれた”暗号”もあるし、意図せずに放置されている”暗号”もあるだろう。

 人工知能の関係者は、これらの暗号を競争相手よりも早く解く手段を手にする。そうすることで利益を手にする。

 しかし、人工知能のユーザーが増えると、ますます強力な暗号が出現する気がする。意図的にも出現するだろうし、自然にも出現するだろう。
 暗号の解読の高速化が進むと、高速化するのに手間ががかかる割に利幅が少ない。ということが起こりそうだ。そういう観点からは…シンギュラリティは起こりそうもない。

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